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              BMW2002HISTORY
                          Since  1997/11/02
                          Ver.Up. 2001/08/14






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BMW1500(1962-1966)
 いわゆる02系のルーツは、ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)と呼ばれる1962年に発売されたBMW1500に出発する。BMW1500は、全長4.5m、全幅1.7mの4ドアセダンであった。
 大型高級車のBMW502とミニマム・サイズのBMWイセッタの中間を埋めるモデルクラスとして、当時、すでに大ヒットしたBMW700もあったが、その後継モデルではない全く新しいモデルとして、世にデビューした。
 BMW1500のエンジンは水冷直列4気筒SOHC・1499c.c.の排気量から80PSを発生させた。サスペンションの形式はフロントがマクファーソン・ストラット+コイルでリアはセミ・トレーリング・アーム+コイルの4輪独立懸架で現代のモデルに通じる装備であった。
 1963年には、このBMW1500のエンジンを1800CCにスケール・アップしてBMW1800にモデルを発展させた。
BMW1800
 1964年には、BMW1800TI「TI=トォーリング・インターナショナル(TurismoInternationale)」も登場し、さらに1965年には、モータースポーツでの好調な活躍もあって200台限定の1800TI/SA「SA=スポーツ・ヴァージョン(Sportsausfuhrung)も登場した。
 一方、1965年には、2ドア・クーペのBMW2000C・2000CSが登場している。これは、後にBMW2800CS、BMW3.0CSへと発展していく。
 更に1966年には、2.0リッターのBMW2000に発展。これに先立ち、ベイシック・モデルも1964年にBMW1600となった。
 このようにBMW1500は、エンジン・ヴァリエーションを発展させながら、それにあわせてモデル・ヴァリエーション分化・発展し、高性能化を計ってゆくのであった。




02誕生!(1966-1968)

 1966年にジュネーブ・ショーで登場したBMW1600ー2は、BMW1500シリーズのメカニズムを用いてボディ・スタイルをひとまわり小さくし、また、先に大ヒットしたBMW700シリーズの2ドアでスポーティな小型サルーンというコンセプトをも受け継いでの登場であった。
 BMW1500系のシャシーのホイール・ベースを50mm短縮し2500mmにし、サスペンション形式もBMW1500系同様にフロントがマクファーソン・ストラット+コイルでリアはセミ・トレーリング・アーム+コイルを適用、エンジンは、登場当時の4ドアエントリーモデルであったBMW1600より若干最高出力が上げられ水冷直列4気筒SOHC・1573c.c.の排気量から85PS/5700r.p.mを発生させた。ボディ・サイズは4230×1590×1410mmと4ドアのBMW1600より長さで300mm、幅で120mm小さく車重も130kg軽く940kgであった。最高速は162km/hで4ドアのBMW1600より7km/h上回った。このBMW1600−2こそが、02シリーズ最初のものである。
 1967年に入ると、モデル・バリエーションとして、バウア社がコーチ・ワークを担当してフル・オープン4座のBMW1600ー2カブリオレが追加。また、4ドアの1800TI同様、排気量をそのままに圧縮比(9:5:1に)アップをソレックス40PHHを2基備えたツインキャブでチューンすることにより、1.6リットルエンジンで105HP/6000r.p.mを発生したBMW1600TIのヴァリエーションが追加された。BMW1600TIは、4ドア1800TI/SAでしか選択できなかった5速ギヤ・ボックスがオプションで用意された。

BMW2002(1968-1973)
1968年1月、2.0リットルにスケール・アップされた2002が登場する。「2002」とは、周知の様に2000ccと2ドアを示す02が合わさったネーミングである。
バリエーションは、シングルキャブの2002(4MTが標準で、3ATモデルもある。)とソレックス40PHHが2基のツインキャブ2002TIである。(標準で4MT、5MTもオプションで用意された。)2002のデビューとともに1600ー2も1602のネーミングに変更された。
 1971年には、02シリーズ全体にマイナーチェンジとヴァリエーションの追加が行われたのである。これ以降を区別して前期型と呼ばれている。初期型と同じ丸テールではあるが、エンジンの細かな仕様の変更と内装等もメッキパーツが大幅に簡略されている。

 この年、2002TIの後継としてクーゲルフィシャー製の機械式インジェクションが与えられてた2002tiiが登場する。
 他の02系エンジン・ヴァリエーションとして1766ccの1802も追加され、ベーシックな1602、ミドルモデルの1802、上級の2002、更に高性能な2002tiiと02シリーズのラインナップの充実がはかられたのであった。
 1600ー2カブリオレは、2002カブリオレに生産が移行する。71年の初期生産200台のみが1600ー2カブリオレ同様、ルーフがフル・オープンタイプであった。これ以降2002のカブリオレ生産モデルは、転倒時の安全対策として、サイド・ウインドウーの上部フレームが残され、ロール・バーを備えたタイプでルーフ・パネルはプラスチック製でオープン状態にするのには、これを脱着しトランクへ収納する。そして最後部は幌でこれを巻き取って収納するというタルガ・トップと呼ばれるセミ・オープンタイプになる。(ボディ制作は、同じくバウア社が手がけた。) 
 一方、リアがハッチバックになったモデルであるツーリングもエントリーされた。これは、2ドアの02ボディをベースにリア・オーバーハングを120mm切り、ハッチゲートを備えた2ボックススタイルであった。ネーミングは、当初、1600ツーリング、2000ツーリング等であったが、後に1602ツーリング、1802ツーリング、2002ツーリング2002Tiiツーリングと改名された。



BMW2002turbo(1973-1977)
 1973年には更に大幅なマイナーチェンジが施され、テール・ランプは丸形から角形へインテリアなど外観・内装が変更された。
 これ以降の角テールの02を後期型と呼ばれている。
 なお、ツーリングモデルのみ、後期型も丸テールであった。
 また、この年に2002TiiのエンジンにKKK製ターボチャージャーを装着した2002ターボが登場する。エンジンの耐久性を考慮して圧縮比を6:9:1に設定していたが最高出力170HP/5800r.p.mで最高速は210km/hであった。 BMW2002ターボは量産車としては世界初のターボエンジン搭載車であった。
 外観はオーバー・フェンダー・フロント及びリア・スポイラーで武装されていた。 フロント・スポイラーに張られた逆文字のTurboの文字は、前方の車のルーム・ミラーにラインを譲ることを余儀なくするアピールであった。
 2002ターボのデビューした1973年にオイル・ショックが起こり、僅か1年で生産されなくなるのである。
 時代は、経済性、安全性、快適な装備を求める様になり、初代3シリーズへと生産が移行していくのであった。
 しかしながら、その後もベーシック・モデルであったBMW1602はBMW1502と名前を改め経済的な小型車として3シリーズがデビューしてからも1977年まで生産が継続されたのであった。
 02シリーズの無駄のないシンプルなコンセプトは、初代3シリーズデビュー以降も好んで愛用されていた。もちろん、BMW02シリーズのパフォーマンスは、現在でも十分通用する。