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BMW2002 Gr.5 1966年にジュネーブモーターショーで登場したBMW1600-2は、BMW1500シリーズのメカニズムを用いてボディースタイルをひとまわり小さくし、また先に大ヒットしたBMW700シリーズの2ドアでスポーティーな小型サルーンというコンセプトをも受け継いでの登場であった。
BMW1500系のシャシーのホイールベースを50mm短縮し2500mmにし、サスペンション形式もBMW1500系同様にフロントがマクファーソンストラット+コイルでリアはセミトレーリングアーム+コイルを適用、エンジンは登場当時の4ドアエントリーモデルでもあったBMW1600より若干最高出力が上げられ水冷直列4気筒SOHC・1573ccの排気量から85PS/5700rpmを発生させた。ボディーサイズは4230×1590×1410mmと4ドアのBMW1600より長さで300mm、幅で120mm小さく車重も130kg軽く940kgであった。最高速は162km/hで4ドアのBMW1600より7km/h上回った。このBMW1600-2こそが、02シリーズ最初のものである。
1967年に入るとモデルバリエーションとしてバウア社がコーチ・ワークを担当してフルオープン4座のBMW1600-2カブリオレが追加。また4ドアの1800TI同様、排気量をそのままに圧縮比をアップしてソレックス40PHHを2基備えたツインキャブでチューンすることにより、1.6リットルエンジンで105HP/6000rpmを発生したBMW1600TIのバリエーションが追加された。BMW1600TIは、4ドア1800TI/SAでしか選択できなかった5速ギアボックスがオプションで用意された。
BMW2002 (1968-1973) 1968年1月、2.0Lにスケールアップされた2002が登場する。「2002」とは周知の様に2000ccと2ドアを示すO2が合わさったネーミングである。バリエーションは、シングルキャブの2002(4MTが標準で3ATモデルもある。)とソレックス40PHHが2基のツインキャブ2002TIである(標準で4MT、5MTもオプションで用意された)。2002のデビューと共に1600-2も1602のネーミングに変更された。 1971年には、02シリーズ全体にマイナーチェンジとバリエーションの追加が行われたのである。これ以降を区別して前期型と呼ばれている。初期型と同じ丸テールではあるが、エンジンの細かな使用の変更と内装などもメッキパーツが大幅に簡略されている。 この年、2002T
Iの光景としてクーゲルフィシャー製の機械式インジェクションが与えられた2002t
iiが登場する。 他の02系エンジンバリエーションとして1766ccの1802も追加され、ベーシックな1602、ミドルモデルの1802、上級の2002、さらに高性能な200
t iiと02シリーズのラインナップの充実がはかられたのであった。 1600-2カブリオレは、2002カブリオレに生産が移行する。71年の初期生産200台のみが1600-2カブリオレ同様、ルーフがフルオープンタイプであった。これ以降2002のカブリオレ生産モデルは、転倒時の安全対策として、再度ウインドウの上部にフレームが残され、ロールバーを備えたタイプでルーフパネルはプラスチック製でオープン状態にするのには、これを脱着しトランクへ収納する。そして最後部は幌でこれを巻き取って収納するというタルガトップと呼ばれるセミオープンタイプになる(ボディー制作は、同じくバウア社が手がけた)。
一方、リアがハッチバックになったモデルであるツーリングもエントリーされた。これは2ドアの02ボディーをベースにリアオーバーハングを120mmキリ、ハッチゲートを備えた2ボックススタイルであった。ネーミングは、当初、1600ツーリング、2002ツーリング、2002Tiiツーリングと改名された。
BMW2002turbo-BMW1502 (1973-1977) 1973年には大幅なマイナーチェンジが施され、テールランプは丸形から角形へインテリアなど外観・内装が変更された。
これ以降の角テールの02は後期型と呼ばれている。 なおツーリングモデルのみ、後期型も丸テールであった。
また、この年に2002TiiのエンジンにKKK製ターボチャージャーを装着した2002ターボが登場する。エンジンの耐久性を考慮して圧縮比を6.9:1に設定していたが、最高出力170HP/5800rpmで最高速は210km/hであった。BMW2002ターボは量産車としては世界初のターボエンジン搭載車であった。
外観はオーバーフェンダー、フロント及びリアスポイラーで武装されていた。フロントスポイラーに貼られた逆文字のTurboの文字は、前方の車のルームミラーにラインを譲ることを余儀なくするアピールであった。
2002ターボのデビューした1973年にオイルショックが起こり、わずか1年で生産されなくなるのである。
時代は経済性、安全性、快適な装備を求める様になり、初代3シリーズへと生産が移行していくのであった。
しかしながら、その後もベーシックモデルであったBMW1602はBMW1502と名前を改め経済的な小型車として3シリーズがデビューしてからも1977年までは生産が継続されたのであった。02シリーズの無駄のないシンプルなコンセプトは初代3シリーズデビュー以降も好んで愛用されていた。もちろんBMW02シリーズのパフォーマンスは現在でも十分通用する。
ドイツ車は一般的に趣味性が薄いとも言われるが、既にBMW02シリーズは完全にヒストリック・クラッシックカーの仲間入りを果たしていることは明確であり、近時、欧州では02等の70年代の車をそれより古いオールドタイマーとは区別してヤングタイマーと読んでいる。1966年に1600-2がデビュー、1968年にはエンジンバリエーションが2000ccと2ドアを意味するO2をあわせて2002のネーミングでデビュー、それ以降「マルニ」の愛称で呼ばれる。このように02はそのバリエーションが多く、エンジンバリエーションでは1.5〜2リットル、ノーマルアスピレーションから量産車としては初めてのターボモデル。吸気方法は多岐に渡ってシングルキャブからツインキャブ、クーゲルフィッシャー製燃料噴射を装備したものまでがあり、組み合わされるトランスミッションも標準の4速、オプションで存在した5速のクロスミッション、おとなしいATまでが用意された。ボディー形状も通常の2ドアクーペからフルオープンのカブリオレ、セミオプションのタルガカブリオレ、ツーリングと豊富で、さらに約10年の長きに渡って生産されたことから、初期型・前期型・後期型と丸テール・角テール、インテリア、エクステリアの意匠を中心に、まるで別の車両のように見えるのも魅力。かつ、本来的に持ち合わせた類い希なる動力性能と高信頼性、快適性、経済性(未だにほとんどの部品がBMWディーラーでも入手可能)により、通勤から家族の足、週末のクラッシックカーイベントとこれ1台で全てのクルマライフを完結できる理想の一台だ。
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